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rubyの好きなこと日記

父と母の物語。NO11。.........黒竜モーヴェ.....


 モーヴェはシュルシュ姫を探していました。

 先ほど竜王に呼ばれ、驚くべき話を聞いたばかりだ。にわかには信じがたい御伽噺に思えたが、自分の将来に指す影は、少しでも取り除いておきたい。今日は自分とシュルシュの婚約の日。今日を無事に迎えれば、彼女の第3の瞳が開く日に、晴れて結婚することが出来る。そうすれば、俺は竜王である。竜王国をもっと広げる野望もある。もっとも、シュルシュが女帝であり、俺の上に君臨するのは間違いないのではあるが...。
婚約の儀式が終われば、人間どもの根城を総攻撃する予定だ。人間などこの地に必要が無い。不安の種は全て刈ってしまうことだ!

 モーヴェは黒ずくめの服装。黒髪。黒瞳の持ち主です。背の高い大男。
 獣の姿のときは悪魔のように恐ろしい、大黒竜。人の姿を取っているのはシュルシュの趣味であるからにすぎません。彼女はなぜか、人の姿でいることを好みました。
 第3の目が無いので、魔法も使えず王権も無いのですが、シュルシュとの結婚を誰もが認める実力者。シュルシュの目が開いた時以外は、この男に勝てる者は竜王国には存在しないであろうと思われていました。
 竜王はすでに年を取り、その目は閉じかけていたからです。
 モーヴェの年は200歳と言ったところでしょうか?人間で言えば40歳位。古の竜たちは、その寿命が1000年を超えると言われていました。今はその半分もありません。
 ここ何百年かで、竜の数も減り、旺盛な繁殖力も退化し、寿命も短くなりつつありました。それどころか、獣の姿になれない半端な竜たちも生まれています。下級竜達にそのような半端者が多く見られました。
 セルヴァンのような。半獣半人。竜でも人の姿でも無い者達。高級竜達にはまだこのような兆候は無いのですが、いづれこのままでは衰退してしまうと思われていました。
 強い血を、もう一度、竜一族の繁栄を! モーヴェは強く願っていました。そのためにはシュルシュの力と、結婚による多くの子孫が必要だったのです。
 モーヴェに愛はありませんでした。あるのは野望だけ...。

 ほどなく、シュルシュを見つけました。子供っぽいシュルシュは、海岸で、向こう岸を見つめ、傍には心配症の半端竜。セルヴァンが付き添ってました。

「婚約者殿。こんなところで何をなさっているのですか???」

 黒づくめの大男が近づいてきて話しかけました。シュルシュは振り向きざま顔をしかめると、生意気そうにこう言い放ちました。

「何も! 今夜の儀式が嫌で嫌で、どうやって逃げ出そうか考えていたところよ!」

モーヴェは馬鹿にしたように、にやりと笑い。まだ、子供だな...と思いました。

「逃げることは出来ませんよ。竜王がお怒りになります。いずれにしろ、あなたはこのモーヴェとしか結婚できない。それが宿命です。婚約式が終われば私はあなたと竜王の為に、新しい城を差し上げましょう。
夜明けになれば、最後のあの砦、人間どもの根城を総攻撃いたします」

 また、戦!! シュルシュは嫌で嫌でたまりませんでした。争いなど大嫌い!人間の世界を見てみたかった。竜の世界とどう違うの?? 赤い髪の人は人間なの?? ああ。私は何も知らない! 又、血が流れるの???悲しい記憶が押し寄せる......。

「モーヴェ。城などいらない。人間などほおっておきましょう。竜と人では力が違いすぎるわ。彼らは飛べない、火を吐けない、力も弱いわ」

 おや、おや。なんてお嬢様なんだろう、このお方は。モーヴェは呆れ顔でシュルシュを見ました。
 竜王が心配していたとおり、このお方は苦労知らずだ。世の中を知らなすぎる。300年前の二の舞。御伽噺が急に現実味を帯びて見えてきました。

「これで失礼いたします。婚約の儀式のほかに、戦の準備もしなくてはなりませんゆえ」

 モーヴェはシュルシュに有無を言わせずにそうそうとその場を離れて行きました。

「だいっ嫌い! あなたなんか!!」

 シュルシュはその背中に鋭い言葉を投げかけました。こんな冷たい男と結婚するなんて、涙が。くやしくって、涙が流れてきたのです。
 召使のセルヴァンは二人のやりとりに、ただ、おろおろとしているばかりでした。
....................続く。.................
Commented by monster1107 at 2010-07-30 16:48
あ~かわいそうなシュルシュ・・・         やこ
Commented by emeraldm at 2010-07-30 17:10
やこちゃん。。。
40歳に15歳が嫁ぐだけでも、かわいそうだよね。。。TT。。。
えばったおじんはRUBYも嫌いでしゅ。。。^^ RUBY
by emeraldm | 2010-07-30 11:55 | 小説- 人と竜の結婚 (1) | Comments(2)

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